【AI外観検査】AI外観検査ソリューション モデル作成サンプル①
画像判定
AI外観検査
事例紹介
『AI外観検査ソリューション モデル作成サンプル①』
前回ご紹介させていただいたAI外観検査ソリューションを使用して、実際に外観検査システムを作成してみましょう。
今回は、下記のお菓子パッケージを使って外観検査システムを作成してみたいと思います。
クッキーのお菓子(バター味・チョコ味の2種)
外観検査システムを使ってパッケージに傷や汚れがないか確認した後、バター味なのかチョコ味なのか識別するようにしたいと思います。
「パッケージに傷や汚れがないか確認した後、バター味なのかチョコ味なのか識別する作業」は人間からするとすぐに検査内容のイメージをすることができるかと思いますが、外観検査システムにこの作業をさせるためには、検査をいくつかの工程に分けて命令する必要があります。
今回は下記の3つの検査工程で外観検査を行うAIを作成して外観検査システムを構築します。
- お菓子のパッケージを識別する
- 傷・汚れがないか確認する
- バター味なのかチョコ味なのか識別する
外観検査システムを稼働させるためには、このように人が当然のように認知していることを細分化して指示を与える必要があります。
まずは「①お菓子のパッケージを識別するAI」を作成しましょう。
AI外観検査ソリューションシステムにお菓子のパッケージを認識させるためには、お菓子の写真をたくさん提供して「これはお菓子のパッケージです。」と学習させる必要があります。
データセットに画像を追加することで、お菓子のパッケージを識別するための学習素材を増やすことができます。
それではデータセットに画像を追加してみましょう。
新しくデータセットの作成を行います。
今回はデータセットに30枚程度お菓子のパッケージを追加しました。このとき同じような写真だけではなく、様々な角度から撮影した画像を提供することでAIの判断する精度が向上します。
これらの写真素材を使ってAIに学習させ、カメラにお菓子のパッケージを検出するAIを作成しましょう。まずは検査工程①「お菓子のパッケージを識別する」AIを作成してみましょう。
「新しいプロジェクトの作成」から「領域検出」を選択します。
あとで検査工程の内容がわかるように、今回は「クッキー識別」と名前をつけます。
それではAIに何を検出すればいいのか学習させるため、アノテーション※を行いましょう。
※AIが学習するために、テキストや音声や画像などあらゆる形態のデータにタグを付けて、「意味」をもたせる作業のこと
外観検査におけるアノテーションとは、簡単にいうと検出して欲しいモノを指定する作業です。
今回はお菓子のパッケージを検出して欲しいので、お菓子が表示されている部分にペンツールを使ってアノテーションを行います。
この写真の中から、お菓子パッケージの部分だけアノテーションを行います。
具体的にはペンツールを使ってアノテーションする部分を赤く塗りつぶしていきます。
これがパッケージを検出させるためのアノテーションを行ったあとの画像です。
※赤く塗られた部分がアノテーションされた場所
このようにAI外観検査ソリューションシステムに検出して欲しい場所をアノテーションした画像を学習させることで、アノテーションしたものと同じものを検出するようになります。
今回はアノテーション作業を全ての画像に行いました。
全ての画像にアノテーション作業が終わったら、アノテーションしたデータを使ってAIに学習させます。学習する指示を出すと下記の画面が出てきて、学習データ(アノテーションした画像)をもとにAIを作成していきます。
学習が完了するとメッセージが通知されます。
これでお菓子のパッケージを検出するAIの作成完了です。
それではさっそくAIを稼働させて、実際にお菓子のパッケージを検出することができるのか試してみましょう。
外観検査システムにお菓子のパッケージを映し出してみると・・・
無事にお菓子のパッケージを検出することができました!
➀これでお菓子のパッケージを識別するAIの完成です。
「パッケージに傷や汚れがないか確認した後、バター味なのかチョコ味なのか識別する外観検査システム」を構築するためには、あと2つの検査工程を作成する必要があります。
➁傷・汚れがないか確認する
➂バター味なのかチョコ味なのか識別する
次は検出した画像データから傷・汚れのないかパッケージを検査するAIを作成してみましょう。